いぼ
(ウイルス性いぼ、みずいぼ、老人性いぼ)
いぼは、皮膚から盛り上がっている小さなできもの一般を指す言葉です。
いぼ、と一口に言っても様々な種類があります。ウイルス性疣贅(ゆうぜい)や伝染性軟属腫(みずいぼ)などのウイルス性のものと、老人性疣贅(老人性いぼ)などの非ウイルス性のものに大別されます。
症状(ウイルス性)
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
手足に好発し、皮膚色や淡紅色、褐色調の隆起した丘疹(きゅうしん)が出現し、次第にうつって数や大きさが増えます。
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
顔面に好発する表面が滑らかな黄褐色の丘疹。小児および若年成人に多くみられます。
尖圭コンジローム
外陰部にみられる乳頭状の丘疹。色は白、ピンク、茶褐色、黒色と様々で、大きさは1~3mm前後から数cm大のものまであります。
伝染性軟属腫(みずいぼ)
子どもに多く見られる、2~10mm大で表面に光沢があるドーム状の結節。中央がへそのようにへこみます。伝染力は強くありませんが、人から人に感染します。
症状(非ウイルス性)
老人性疣贅(老人性いぼ)
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)とも呼びます。20歳代から出現する良性のできもので、顔面や頭部、体幹に、数mm~2cmまでの大きさで、茶色や黒褐色の盛り上がった形をしています。
原因
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
指のささくれや足底などの小さな傷口からヒト乳頭腫ウイルスが感染します。表皮の一番深い層にある基底細胞に感染することで細胞が増殖し、発症します。
伝染性軟属腫(みずいぼ)
タオルや衣服、バスマットやビート板など、患部が触れたものを介して伝染性軟属腫ウイルスが感染し、広がりますので、肌の露出の多い状態で人と接触する、プールなどでの感染が多いようです。
老人性疣贅(老人性いぼ)
紫外線の影響による老化現象のひとつであり、肌の新陳代謝が衰え、角質が厚くなって膨らんでゆくことで発症すると考えられています。
治療方法
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
- 液体窒素による凍結療法
- メス、レーザーによる外科的切除
ウイルス性いぼは再発しやすいため、根気強く継続して通院する必要があります。
伝染性軟属腫(みずいぼ)
- 専用の器具を使って除去
みずいぼは自然消褪することもあるため、小児科では放置することもあるようですが、自然消褪には通常半年以上かかり、その間にうつってどんどん増えたり、他の人にうつしてしまったりすることも多いので、数が少ないうちに治療するのが良いです。
治療には痛みを伴うため、当院では麻酔のテープを使って治療する方法をお勧めしています。
老人性疣贅(老人性いぼ)
- 冷凍療法
- レーザー治療
- 電気メス焼灼法
- 外科切除
老人性いぼは自然に消えることはなく、年齢とともに数が増えて大きくなります。良性のできもののため治療は必ずしも必要ありませんが、ひっかかって痛かったり、美容上気になる場合はご相談ください。
いぼは様々な形を呈するため、悪性疾患との鑑別が必要なこともあります。
また、たこといぼは混同されやすいですが、いぼはウイルスの感染でできるものもあるため、自己処置などをしていると周囲に感染して広がることがあります。
気になるいぼがあるときには、皮膚科専門医への受診をお勧めします。